昔信じられないくらい速かった鴨居が普通のカーターになったのと不思議に符号する出来事が有る。飲酒運転の取締が厳しくなったころ、鴨居のドライビングも大人しくなってしまったのだ。しかし鴨居は飲まないとダメなドライバーでは決して無い。むしろ紳士的でクレバーなドライバーなのだが、飲酒運転できないことが致命的になったのも事実なのだ。
実は鴨居、お化けだの幽霊だのといった類いが全くダメなのである。帰り道に暗がりがあると、その道は通れない、酔っぱらわなければ帰れないたちなのである。鴨居は「いや〜、面目ない。酔っぱらわないと帰れないって、大人としてなさけないすね。ほんとマイッタナ〜。」と、ちょっと照れて笑っていたが。「フ〜ン。」と、何故かライズでは、その言動を不思議と深読みをしてしまうのだった。
田口は最近ベアとの打ち合わせで、頭の出来の差でコミニケーションがとれないので悩んでいる。そこで300の善子にベアとのセッティングの打ち合わせについて聞いてみた。「善子ちゃんさ〜。グリップをもっとあげたいときどう言えばいいのかな〜。」「え〜だって。カートは空中を走ってるから、そんな事言ってもダメダヨ。」「違うよ、それじゃあ曲がれないじゃないか。」「もう〜田口さんたら。ハンドルを切ったら曲がるじゃない、いやだ〜。」「だってタイヤが接地しててその摩擦力で曲がるんだから……」「タイヤは乗り心地が良くなる為についてるのよ。シートをソファーにすればいいんだけど、それじゃあ高くつくでしょ。」「????」
最近、田口は自分の培って来たドライビング理論が間違っていたんじゃないかと思い始めている。
関根がレースの途中でリタイアして戻って来た。とても痛そうに「いや〜またアバラをやっちゃったみたいで。」
と、言って残念がっていた。
それを聞いたツアーの全員が深刻に「あんなに肉のプロテクターをしててもダメなのか。アバラを守るのは不可能なんだな。」
と、恐怖を感じていた。とりあえずご利益がありそうなので、関根にお賽銭をあげて、「どうかアバラが折れませんように。」
と、祈る者が続出したため。事務局では関根の前に賽銭箱をおいて上前をはねようと画策している。
500と混走で1000の浪川と三木のふたりも走った。初めてのツアーということもあってルールに不馴れでピットインをしなくて失格扱いとなってしまった。しかしピットではしきりに手をふってピットへ戻って来る様合図をしたのだが、その合図を見るたびに、手をふって『応援アリガトウ』とにこやかに歯を輝かせるばかりで気付かなかったようだ。
その事について二人に尋ねた所「じゃあ、後で編集でピットインを入れておいて下さい。音声のアフレコはなれてますから。」と、反省していなかった。
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