最近田中の機嫌が良い。実は田中に新たな病気友達ができたのだ。そう、ツアーに参加している阿部が新たに糖尿友達になり、先輩風を吹かす事が楽しくてしょうがないらしい。
田中に言わせると「糖尿は野菜を中心にした食事にすれば大丈夫です。」 と、サラダ中心の食事を阿部に薦め、その他に、頭にカイワレ大根の種を巻き育てると、髪の毛が有るみたいで気持ちが良いと教えたらしい(頭髪アルアル)。しかし、阿倍の場合、もし全身からカイワレ大根が生えてくると、園芸ショップで売っている、猫草の人形に間違われてしまうと、注意をすることも忘れなかった。
ここ数年、"新東京だけ速い"と言われて来た手塚が他のサーキットでも実力を見せるようになってきた。50才オーバーになってからの成長は見事の一言につきるのだが、一体どこまで速くなるのか聞いてみた。
「いやーもう限界ですよ。普通月は予算や計画から逸脱した努力をすると、期末に体力や才能が残っていない状況になりますから、目標に対して忠実なタイムを目指します。期末に体力と才能が残っていれば、使い切る方向で、限界まで攻めます。」と、実質成長率を5%に設定、日本経済とカートの関係から考えると、今年はマイナス成長に落ち込む見込みだと教えてくれた。そんな真面目な手塚をささえている奥さんは「真面目なんてとんでもない。自分の好きな事は、まずやってから後から言い訳を考えているんで、常に予算は青天井なんです〜。」と、旅行に連れていってくれるのなら、1回くらいはF1のやって無いリゾートで、ゆっくりと買い物がしてみたいと言っていた。
ツアーに参加しているショップのなかで、一番リザルトではたいした活躍はしていないが、年末の表彰パーティーでは一番賞品を持って帰る、チャッカリしている杉山カートから期待の新人が出て来た、照屋である。
とうぜん照屋はリザルトに関しては劣悪な環境にある為、他の参加者に比べ不利なのは否めない。なぜならばレース前に全員がセッティングをしている時に、杉山カートは誰かのカートの修理をしているという、次元が違う対応に追われている事が多いからだ。そんな環境について照屋に聞いてみた。
「環境が悪くいですって?そんな事はないですよ。みんなとっても良い人です。」と、ブスでとりえのない女性をほめる時のように、チームメイトは性格しかほめる所は無いと嘆いていた。ちなみに杉山カートの先輩達は照屋のことを『性格の良い後輩なので、厚くサポートをしていきたい』と、ほめる所はやっぱりここだけなんだよねと意見が一致している。
旧フレンズのメンバーで原口だけはカートを趣味として割り切って楽しんでいるといわれている。
元々仕事がハードワークで、直前まで拘束される為、レースの準備に時間を裂くことが出来ず、常に当日行き当たりばったりで参加するしかないかららしい。そんな原口に対してベアの田中は
「業界人と呼ばれる広告関係の仕事をしている原口さんや丸さんなんかは、本当に才能があって、ビックリするくらい言い訳が旨いんです。話だけ聞いてると、F1ドライバーでも彼らには適わないと思っちゃいますから。」と、常に特殊な才能を駆使して生きて来た人たちは本当にズルいので困ってしまうと、こっそりと教えてくれた。
中村が衝撃の事実を知ったらしい。それはパンサーは生で使用する固体は出荷しておらず、基本的に火入れをして使うことが前提となっているということだ。その衝撃を中村が話してくれた。
「いや、驚きました。今までは偶然、ガソリンを入れてパンサーを使ってて良かったと思います。慣れて来て"生"で使用してていたら、どんな結果になったのだろうか?と考えたらゾッとします。」と、ベアに苦言を呈していた。
それについて、ベアは、名門IAMEのエンジンパンサーなので、耐久性も高く、どんな条件でも心配は無いので安心して欲しいと言っている。ちなみに中村が言うような"生"での使用が可能かどうか、ゴマ油でパンサーエンジンを和え、シャーシに組み込み実験をした結果。スピードは期待できないが、トロトロとパンサーが動くことが確認された。名門のエンジンはやはりひと味違うと中村が感動していた。
|