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平凡パンサー 8-1 HARUNA 2009.5.17
10 11 12
8.OG350 戦評〈3〉
PANTHER TOUR OG350 「オッシャレー !! 」
イクちゃん得意のトラブル。毎回必ずなにかやります。
山本は榛名でオーバーグリップに苦しんだようだ。ニュータイヤを付けて朝の練習走行に出た山本は愕然とした。2週間前にここ榛名で6カ月も使っていたボロタイヤで出したタイムよりも1秒も遅かったからである。これは間違い無くタイヤに問題があるのではと思いアドバンタイヤをチェックしてみると

「実は、この春限定の“ストーカー仕様”のSL02だったんです。必要以上にベタベタしたもので、僕だけが知らなかったようです。

ちなみに6カ月使用しても速かったタイヤは春と夏の年2回でる“甲子園球児仕様”で異様に頑張るタイプだっららしいです。」

ちなみに山本が言うには、アドバンがチームカラーに合わせて特別仕様のタイヤを作ってくれるらしい。ベア仕様なら『真面目に頑張っても不真面目に見えてしまうコンパウンド』、ライズ仕様は『少しくらい呑んでいても検査機に反応しないコンパウント』、神奈川杉山カートは『普通の人なのに変態扱いされるコンパウンド』、静岡杉山カート仕様は『オジサン・オバサンの我がままに付合った為に折角の名声を失いそうなコンパウンド』、ROWDY仕様は『折角中央のカートレースに参加したと思ったらドサ廻りだったコンパウンド』ということだ。どの仕様も不思議とノーマルよりもタイムが出るらしい。

初戦のギリギリになって350に降格になったのが風戸だ。本人は昨日まで500でエントリーするつもりでいたのだが、500の長老たちが『ポール トゥー ウィンをしてしまうレベルでは500は厳しかろう。350に行って修行し直してきなさい。」と、田中(直)・相原につづく本年度3人目の降格となった。そのことを風戸に尋ねると「いや〜、最近の500の選考基準が結構厳しくて、一発で通るのが『ちょっと髪の毛が薄くなって来ている』というのらしいのですが、まだまだフサフサしていたので、他の条件を聞いたら『二つ以上の持病がある』『過去に泣かした女(男)の数が二桁以上いる』『今までに1億以上の借金があったことがある』『警察に捕まったことはあるが有罪になったことは無い』『CIAの友人もいるが旧KGBの友人もいる』と条件を出されて『いくらなんでもそんな経験はないです。』って答えたら『真面目に答えたから“失格”』って言われて降格が決まったんです。」

と、言うことだった。それを聞いていた350のメンバーは、500の人間をマトモに扱った風戸が悪いと、500連中を普通の人間として対応する未熟さではあそこでは生きていけないから、順当な降格だったと皆が納得した。

山下が持ち込んだカートを見て『オーッ!』とみんなが歓声を上げた。そうパンサーツアーに初めて3大メーカーの最後のひとつCRGをもたらしたのである。
「すっげー、このステッカーキラキラしてる。」
「どうですか? これ」
すると山下は「女の子にモテますよ。夜の六本木とか最高ですよ。」
「そうですか、やっぱりいいよね。だってさーTONYって緑だろ。あれで呑みにいくとセンスを疑われちゃうからね。」
「後は、赤い絨毯をひきたいですよね。」
「それ良いわ、山下さん。やったら見せてよ」
「良いですよ。それと気になるのがシルバーのパーツなんです。銀じゃないのがバレバレなので、金メッキしたほうが合うと思うんです。」
「オッシャレー!!」
セッティングを細かくだすより、こう言った改造のほうが楽しいオヤジ達だった。

いつも“気づかなかった”ですましていた山田の参戦状況だったが、昨年のリザルトを見ても、全戦でポイントを獲得したのは彼ひとりだけであり、ポディウムにも乗っていることを考えても安定した力を持っているレーサーだ。しかし走っている姿を目撃した者が誰もいなく“神秘のレーサー”と呼ばれている。その彼を今回ここ榛名で徹底的に取材し、その神秘のベールを外してみたいと思う。

山田のTTは安心感のある4位、セカンドグリットを獲得している。新聞編集スタッフの乗っているマシンは7番グリッドからのスタートなので、山田に離されないように付いていければ取材の絶好の位置だ。

スタート! 好スタートを切った我が取材スタッフは山田近づいていった……と思ったら、山田に気づかれたのかパスさせられ、後方につかれてしまった。山田の存在感の希薄の秘密は今回も解明されないのであろうか?

気をとりなおして2周目以降の山田の位置の確認をしようとしたが、既に遅く山田は何処を探しても見つからなかった。「消えてしまった……。1周目で完全に見えなくなった……。」

存在することは解っているのだが、走っている姿を見られたことが無い“神秘のレーサー”山田、今回もその走る姿を見ることは出来なかった。しかし我々は諦めない。『走る山田の姿をきっと突き止めてみせる。』そう心に刻んで今回の取材は終了する。
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※パンサーツアー専門誌「PANTHER TOUR」は“少ない取材と”“大きな想像力”で制作されています。
「ちょっと違うな〜」はありうることですが、抗議はうけつけません。投稿のみ受け付けますので、そこんとこヨロシク!
ADVAN PANTHER TOUR Vol.39 第7巻1号(通巻38号) 発行人/幾橋俊之 編集長/丸塚久和 撮影/色々 差入/本当に来ね〜な〜 発行所・パンサーツアー事務局/03-3704-0194(FAX)
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