パンサーツアーは選ばれた人間だけが参加できるカート界の鹿鳴館とも称される実に格式の高いクラスなのである。しかし最近相応しく無い参加者が混じっているという噂がたち、民主党と政府は参加者の仕分け作業を行うことにした。
「まずはライズさんから参加されています。関根さんについて500クラスに必要とされている点を聞かせていただけますか?」「観て下さい関根さんの体を。サシの入ったトロの部分が非常に多く、キロ5000円はいくのでは無いかと思います。間違い無くツアーの中で一番値のつく体の持ち主なのです。」「性格は、かなりずさんな成り立ちをしてるようで、評価が“非常に馬鹿”と500クラスには合わないように思えますが。」「ええ、ただの“馬鹿”ならば500クラスには合いません、しかし“非常に……”“非常に馬鹿”なのです。トキと同じく保護を必要とする希少種だということを、はっきりと申し上げたい。」「なるほど……、関根さんは必要ということでお願いいたします。」「ありがとうございました。」
「次は、ラウディーさんから参加されている中村さんです。客より遅いカート屋さんなんていらないのではないでしょうか?」「それはカート屋として優れているということの証明に他なりません。」「遅いと言うことがですか?」「そうです。名伯楽だからこそ、クラブ員がのびるのです。才能を延ばす力が尋常ではないという証ではないでしょうか。」「なるほど素晴らしい才能です。500クラスに頭を下げてでも参加をお願いしたい人物です。今後ともよろしくお願いいたします。余談ですが、何故本人だけ速くならないのでしょう?」「頭が尋常じゃないくらい悪いので、自分が言ってる理論を自分自信が一番理解できていないのです。」
「……。では次にベアの田中さんですが、人類にとってまず不必要な人だと思うのですが、なぜ500クラスニ必要なのでしょうか?」「間違いなく不必要な人物です。」「では、ベアさんは何故500に必要だという人物として、田中さんをエントリーリストにあげているのでしょうか?」「組織全体が理想的な無菌状態だと、大きな力を持って発展してゆきますが、一面危機には弱く、なにか合った時にパンサーツアーが崩壊してしまいます。そこでどうしても田中のようなバイ菌を入れておく必要があるのです。」「予防接種と同じ考え方ですか?」「そうです田中は必要悪なのです。」「分かりました、田中さんはバイ菌枠ということでエントリーを確保したいと思います。」「ありがとうございました。」
「では、同じくベアの阿部さんですが、普通に考えて知能や運動能力がツアーのレベルに達していないように思えますが、いかがでしょうか?」「おっしゃられる通り、阿部さんは本当になんの役にもたっていません。」「では、何故エントリーしているのですか?」「余りにも小さいので、気をつけてはいるんですけれど、いつの間にか混じっているのです。」「では、参加禁止ということで努力していただけますか?」「不可能です。阿部さんを食い止めるのはシロアリの侵入を防ぐよりも何十倍も難しいので、コストがかかりすぎます。」「では、あえて参加させた方が、コストの面で良いということですか?」「そうです、それ以上に田中さんと違って無害なので、実際に不意に参加されても、ツアーには何の問題も起こらないと思います。」「わかりました、では参加と言うことでお願いいたします。」
「次は石井さんですね。え〜っと、石井さんの場合、決してレースを堪能しに来ているようには思えないのですが。なぜ、レースそっちのけで、セッティングに執着するのでしょうか?」「格好つけてるだけです。」「えっ? 石井さんはカート上級者だからこそ、マニアックに走ってるのでは無いのですか?」 |