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痩せたいひとは聞きにきてください。とスリムになった和田さん |
杉山カートと言えば、エロさやオヤジでのイメージが強く、まさか本気で優勝を狙っているとは思えないショップだ。しかし何故か最近速くなっていると言う。渋谷もその一人だ。そのへんを杉山カート唯一の知性派渋谷自身に解説してもらった。
「実は、我々杉山カートのメンバーは元々才能が有る人間ばかりなのです。最初から全力で参加してもレース全体が引いた感じになって盛り上がらないと考えて、全員で馬鹿な振りをする事にしたんです。それで徐々に実力を出して行こうと。まあ、今年はそこそこで終わるつもりですが、来年は全員でポディウムを総べて独占するしようかな〜って話しているところです。」
「具体的にどういう風にみんなのドライビングが変わってくるのですか?」「北原さんは後二本腕がはえて来て、キャブの調整をしながらピットストップもロスが無い様ボタンに手をおいたままドライビングします。相原さんはちょっとメタボな脂肪をそのまま第二のエネルギーとして燃焼させ、エンジンをさらに高出力にすることになります。私はノーベル賞を獲得が決まり、少し頭脳に余裕がでますので、ドライビングに知能をフル回転できます。」と教えてくれた。
どうやら純粋なオヤジ達だったのが“嘘”や“言い訳”を覚え、ズルさを身に付けて来たのが速さの原因らしい。
和田が大幅の減量に成功し、後半戦に向け侮れない存在になりそうだ。
その和田だが、実に8kgもの減量に成功したらしい。ツアーの参加者にも非常に興味のあることなので、詳しく聞いてみる事にした。「和田さん、ダイエット成功おめでとうございます。」「いや、食事療法じゃなくて、ある専門家の元を尋ね集中して体重を落としたんだ。」「じゃあ、新しいエクササイズですか。身体を動かすとなると怠け者が多いツアーの参加者には向かないかもしれません、それだと和田さんが圧倒的に有利になりますね。」「いや〜身体なんて動かさないよ、ジッとしてるだけだから誰でもできる方法だよ。」「それは凄い!!是非教えてください。」「実はさ、青森県の恐山に行って、強い霊能師を紹介してもらって、15分くらい座って拝んでもらっただけなんだよ。」「え〜っ??なんでそれで体重が落ちるんですか?」「憑き物がタップリ落ちてさ、随分身体が軽くなったと思ったら8kg落ちてたんだ。もうちょっと力の強い人に頼めば後5kgは落ちるらしいよ。」「......。」
和田はみかけに寄らず様々な方面から恨まれているらしい。
鴨居が久々に昔の輝かしいイメージを取り戻した。元々速い鴨居が元来の力を取り戻したのならば後半戦有力なチャンピオン候補が現れたことになる。
「鴨居さん、久し振りに気合いの入ったレースでした。特別な調整方法でも合ったんですか?」「なっ何を言うんですか。何もしてませんって。何をしたって言うんですか。」
「いや、そういう意味ではありませんが......え〜っと、どの辺から、いけると思いましたか?」「なっ何を言うんですか。本当に何処にも行ってませんよ。真直ぐ帰ってます。」「いや聞きたいのはレースのことなんで......誰かを今回マークしたとか?」「えっ??マーク??僕は見張られてるんですか?探偵ですか?やめて下さいよ!本当に
無実ですって。」「顔色が悪いようですが、大丈夫ですか?」「顔色なんて......変わって......ない...ですよね??......」鴨居はまだ調子の悪いところがあるようだ。
手塚のドライビングが変わって来た。元々数字にはとても強く、論理的なドライビングをするタイプだったのだが、最近おもいきった動きで他のカートを圧倒することも多くなって来た。「手塚さん、ポイントやボーナスを考えると今一番チャンピオンに近いんじゃないかって言われていますが。」「(手塚)......接続する事に失敗しました。回線が落ちているか、電源が入っていない可能性があります......」と目が点減しはじめた。「おくさ〜ん。手塚さん壊れてますけど〜!!」「ああ、大丈夫です。お水をかけると直るんです。」と言うと、頭から水をかけた。すると「シュ〜〜ッ......」音をたてて白い煙りがあがった。「ほらね、直ったでしょ。」「え〜っ、でもショートしてません?」「大丈夫よ。この方が使い易いの。」完璧な手塚は能力が高く、色々なことに細かくてめんどくさい男だったがが、水をかけると良い旦那になったのでたまに水をやってるとの事だった。手塚が速かったのは、あんまり暑くて奥さんが水をかけるのを忘れていた為、自己修復が進み元々のパフォーマンスを取り戻しつつあったからだった。私たちは普段壊れた手塚と接してるらしい。 |