|
夫婦で休日の午後をサーキットで過ごす。中々いい風景です。 |
「そのほかになんか面白いこと無かったの?」
「スタートした時はF1のテーマ曲が流れてたんだけど、10周目から『メリージェーン』に変わってチークタイムが始まったんだ。」
「なにそれ!」
「もう、高橋さんや山北さんがいきなり元気になって、『僕と踊ってくれませんか?』ってナンパ走行に変えた途端、ピッタリ寄せたり、軽くヒットさせて相手を回すのが上手でさ、観客から『オッシャレー!』って歓声があがったんだ。」
「へえ〜、チーク巧いんだ、意外っ!!」
努力嫌いの二人について、ベアのメカニック親方は『いっくら速く走れるように教えても全然覚えないんだけど、何処で覚えてくるんだか、悪い事は直ぐ覚えちゃうんだよな〜。」って嘆いていた。まあ、ベアの社長が見本見せてるだけなんですけど…まあいーっか。
「それを見ていた和田さんが、せっかくだから女性と踊りたいってコースサイドに止めて、うっかり満平さんに声をかけちゃって…。」
「え〜!!満平さんダンスに誘われたんだ。」
「和田さんがいきなりシマッタ、ヤッチャッタ〜って顔になって自分から『ゴメンナサイ。』って断っちゃったんだ。ミッチャンは怒っていきなりハイキックをお見舞い、一発KO。見事だったよ。」
市原でよく見かける防災標語
「気をつけよう、夜道の一人歩きと甘い言葉」
はこの事らしく、下手に満平さんに声をかけたら男性の方が危ないんだって。
「あれ?金田さん、意外に遅かったんだ、どうしたんだろう?」
「ああ、インターネットの水子サイトで今週のランキングの上位に入ってたから、重かったんじゃないの?」
「へ〜今週も上位だったんだ、頑張ってるね。」
「くっつくのが仕事だから、会社では成績優秀で将来役員候補って声もあるらしいよ。」
「すごいね。楢島さんはどうだったの?」
「あの人はマニアックだから、なんでもスリーボンドですましちゃう所があって…」
「まあ、ケミカルは色々だしてるからね。」
「イヤ、本当にボンドなんだ。グリップは空気圧じゃなくてボンドで出してるらしくって…。」
楢島さんの走りは序盤はボンドのハイグリップを利用して、凄まじい速さで駆け抜けて行くけれども、中盤以降、固まってきて異常に遅いペースになるのが特徴だ。レース後半にうっかり楢島さんを抜こうとテールトゥーノーズになると彼の巻散らかしたボンドで身動きできなくなってしまってずーっと抜けない状態になってしまう。これを楢島ホイホイって言うらしい。
「杉山カートみんな速かったみたいだね、やっぱり地元って強いのかな〜。」
「そうなんだよな、鈴木さんなんか『全然練習してませんから…』って言ってたけどエントリーの時『回数券は使えます?』って聞いてくるし、お昼はラ−メン屋で『いつもの!』って注文してるし、個人ガレージはあるは、寝室・マッサージルーム・サウナまで個室だし、借金取りや昔泣かした女まで入り口で待ってるし…。」
「練習されたらちょっと適わないから辛いね〜、ベアが有利になる東京のコ−スって無いかな〜?」
「東京にコースあったら言い訳できないから、神奈川じゃ適わないな〜とか千葉組はいいな〜って言える現状は、大人のレースだとホントの所、都合がいいんだけどね。」
「そうか、そう言われればそうだよね。」
最近杉山カートのメンバーもわかって来たみたいで『御殿場か〜そんな狭いコースは走った事無いから、富士の本コースでツアーやってくれれば自信あるんだけど。』と絶対に出来ないだろうと見越して言ってくる。オジサンになるとドライビングテクニックよりも口の方が進化するのが速いみたいだ。
「そうだよな〜最近アリケンの影響か分からないけど、みんな言い訳巧くなったよな〜。」
「この間なんか、村岡さんと後藤さんが二人でやってきて『御殿場は登りがあるから体重が有る人は不利だよ。ちょっと考えてよ。』って言ってくるからさ。『ダイエットして下さい。』って言ったら『唯一俺達が勝てる所が有るから、そこで開催してくれ!』って言い寄ってくるんだ。」
「え〜体重が関係ないサーキットってあったかな〜???」
「両国国技館だって。」
「お〜い山田君座ぶとんあげてくれ。」 |