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3.GG500 戦評〈2〉
優勝した時の為にヘルメットを磨く高橋さん(上)と、優勝する為に整備されたカート達(下)。
中村は苅米に一発面白い芸を考えて欲しいと依頼、本当にこんな時に頼りになるのが苅米だ。中村は苅米の存在を本当に頼もしく感じていた。サインを見た鴨居が次の周回でピットロードに向かって来た。その時信じられない光景が目に入って来た。どういうわけか阿部までノコノコ鴨居の後についてピットインしてきたのだ。「ヤッタ〜!!」ライズから歓声があがった。中村は隣の苅米に「なんで苅米さんピットで待機してるの?邪魔だからあっち行って。」と喜びを隠せないようだった。ホワイトパウダーズのチャンピオンが決まった瞬間だった。10秒ストップの鴨居の後ろで阿部が頭を掻いていた。ベアでは“反省”芸のステージの建設が始まっていた。

その時だった、阿倍の後ろから青い影がゆっくりと迫って来た、牧田だった。牧田は阿倍の後ろで、3人分のボーナス25秒を待つことになった。ホワイトパンダーズの敗北が見えた瞬間だった。この光景をみたライズの面々はやっぱりものすごくウケていた。「スッゲー、牧田さんも腕を上げたな。」とピットロードではボーナスポイントを利用した撮影会とサイン会が繰り広げられ、マッキーフェスティバルin榛名として来年はゲストに水前寺清子を招き第2回の開催しようと盛り上がっていた。

この騒動にも中村は落ち着いていた。「やっぱり頼りになるのは鴨居さんしかいないな〜。」とサーキットの方への振り返るとそこにはリードベンを壊してリタイヤしている鴨居の姿があった。「............。」体力・テクニック・芸能、ライズの3種の神器がやはり炸裂、また酒量が増えそうな小春日和の一日だった。

この4周目は実に5台がピットインするという慌ただしい周回だった。その中でこの騒ぎの元になった阿部に、何故鴨居に付いてピットインしたのか尋ねたところ「俺って、ほら、流行に敏感だから、そのえ〜と、ナウイからさ。」と理由を語った。オシャレな阿部はセブンイレブンの袋を旅行用の鞄にアレンジ、一見ゴミ袋としか見えないポリ袋を、さり気ないファッションセンスで着こなし、この秋冬も見事なコーディネートでパドックでの人気を独占している。

このツアーでもっとも偉大なレーサーに贈られるMVPは一年間で一番多くパスしたオアーバーテイクキングに例年贈られている。今年は昨年惜しくも逃した北原と、毎年事務局に賞品のエンジンを無茶苦茶な値段で買い取られ勘弁して欲しいと思っているベアの田中の一騎討ちとなった。1周目のスピンで3つ順位を落とした田中に対して、参加するたびに毎回オーバーテイクポイントを獲得する北原は今回も見事なスタートダッシュで6つ順位を上げた。田中はここでピットインを遅らせ、掲示板の順位に自分のゼッケンを載せ北原にプレッシャーを与える作戦にでた、そして瞬間順位で2位まで浮上、しかし最終順位は3つ落としてしまい悔しいマイナス3ポイントとなった。北原はその後、後藤と抜きつ抜かれつのデッドヒートを展開、この勝負にも勝ち、結局5つポイントをのばし、初めてのオーバーテイクキングを獲得した。そのことについて北原は「来年は2丁駆けで出れれば、中村さんに勝ちます。」と嬉しそうに語っていた。もちろん北原には12月4日の表彰パーティーで事務局長の幾橋が覚えていたら、そう、幾橋が本当に忘れていなかったらMVPの賞品のエンジンが贈られることになる。う〜ん、幾橋は覚えているんだろうか?

影の優勝者になったのが手塚だ、手塚は1周目のピットイン後、直ぐさまトップの前で復帰、掲示板では必ずトップに手塚のゼッケンが表示され、とても気持ちの良いレース展開となった。オーガナイザー側もこの掲示板のトラブルで困惑、一時手塚を優勝者として扱うなどしたが直ぐに修正、正式なレースリザルトを発表した。手塚は「機械が私を認めたということは、世界が私を認めたということです。」と王者を宣言、皆からウィルス手塚と呼ばれている。
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※パンサーツアー専門誌「PANTHER TOUR」は“少ない取材と”“大きな想像力”で制作されています。
「ちょっと違うな〜」はありうることですが、抗議はうけつけません。投稿のみ受け付けますので、そこんとこヨロシク!
ADVAN PANTHER TOUR Vol.18 第3巻6号(通巻18号) 発行人/幾橋俊之 編集長/丸塚久和 差入/本当に来ね〜な〜 発行所・パンサーツアー事務局/03-3704-0194(FAX)
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