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平凡パンサー 9-1 CHIBA 2010.3.22
3.GG500+OG350 戦評〈2〉
PANTHER TOUR GG500+OG350 秋山さんの口を動かす筋肉の許容量は一年間で二十一文字になっています。
オッサン化が進むパンサーツアーで杉山カート唯一の350クラス山田さん。
秋山が言った一言が物議をかもし出している。それは開幕戦、チームメイトの山下から「秋山さん、車の仕上がりはどうです?今日はいけそうですか?」と言われたことにたいして一言「べつに......。」と応えたことに対してだ。沢尻エリカなみに天狗になっての発言かと騒然となったわけでは無い。秋山はもともと無口である、というか異常に口をきかないのである。

東京大学の幾橋教授は秋山の能力を「秋山さんの口を動かす筋肉の許容量が1年間で約21文字になっています。それ以上話をしようとしても、筋肉が限界にきていますので自然界のバランスが崩れて、無口が意外にモテるといった法則が崩れます。」と、蒲田の焼肉屋でキャバクラのお姉ちゃんを口説く会話の中に織りまぜた話の中で発表している。

そこで問題になってくるのが「......」の部分である。もちろん会話になっていないので1文字としてカウントしないというのが多数派てはあるが、過去出版会では小説家の「......」を文字としてカウントし、あまり多様されると金額がかさんでしまうので、一枠に点は三つ、そして最大二枠まで、と厳しく定めたという前例があるために、今回の秋山の「......」もカウントすべきだと丸塚や山田といった350の最下位争いグループから強い抗議が来ている。事務局ではその抗議をうけて「秋山さんの無口問題に便乗して、後藤さんまで無口のふりをするのは、自分の風貌を余りにも課題評価し過ぎでているのでははないか?」とコメントしている。

その後藤であるが、今回なにを勘違いしたのか500で優勝してしまった。やる気・実力ともツアーの話題外というランク外からいきなりのトップ1である。そう、後藤はその風貌からして面白そうな雰囲気を醸し出しているのだが、見た目よりもシャイでバカ話しが苦手という欠点がある。そのためにツアー関係者は常に低い評価を後藤にしてきた。それが1位である。ポディウムの頂点に上がった時にうけるインタビューですべること間違い無しの状況なのである。

そこで事務局は表彰式までのわずかの間に後藤を暗殺し、替え玉をたてることにした。まず、フィットネス和田に頼んで首の骨を折ってもらった。すると後藤は「もう少し強くお願いします。」と気持ちよさそうだった。次に山形のエロ話しで鼻血で出血多量を狙ったが、異常に面白いエロネタだったために全員が山形を囲んでリサイタルとなってしまい、これも失敗に終わった。しょうがなく最後の手段で冨田にたのみ注射による薬殺をねらったが、本人は医者で無いためやっぱりヤブで後藤か元気になってしまった。

そして表彰式、事務局があきらめの境地て盛り上がらないまま始めようとしたところ、いきなり後藤が分裂を始めた。面白い後藤、粋な後藤、オシャレな後藤、博学な後藤、分析に長ける後藤、真面目な後藤、そして天才的な話術を持つ後藤と7人の後藤がそこに出現した。「われわれに表彰式は任せて欲しい!」と事務局が見守る中、キラっと白い歯を輝かせてポディウムの頂上へ彼等は登って言った。頼もしかった。盛り上げなくても彼等ならお金のとれる大舞台だってまかせられるくらいの安心感だった。

司会の田中がいつもより少し高いトーンで表彰式を始めた「では優勝は後藤さんです。おめでとうございま~す。では優勝の喜びをお願いしま~す。」「......。」「あの、後藤さん。......それでは一言お願いいたしま~す。」「......。」7人揃って人見知りだった。そのままどんよりとした時間が虚しく過ぎ、後藤達の身体は石のようにかたくなってそこに立っているだけだった。そして五時間が過ぎ、後藤の身体はサラサラと風化しはじめた。きれいだった。雪のような白い粉になって後藤の身体が大空へと舞い上がり始めたのだ。月明かりが7色に分解されまるでお伽の国のようだった。そしてツアー参加者全員はその光景を見ることなくとっくの昔に帰ってしまっていた。
1.表紙
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※パンサーツアー専門誌「PANTHER TOUR」は“少ない取材と”“大きな想像力”で制作されています。
「ちょっと違うな〜」はありうることですが、抗議はうけつけません。投稿のみ受け付けますので、そこんとこヨロシク!
ADVAN PANTHER TOUR Vol.44 第8巻1号(通巻44号) 発行人/幾橋俊之 編集長/丸塚久和 撮影/色々 差入/本当に来ね〜な〜 発行所・パンサーツアー事務局/03-3704-0194(FAX)
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