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平凡パンサー 5-2 KHODA 2007.5.20
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2.GG500 戦評〈1〉
PANTHER TOUR GG500 「ず〜っと走っていたいんだ。ず〜っと。そして僕は風になるんだ。」幸田は許してくれた。
五月晴れの日ざしの中、惨然と輝く姿があった五月晴れの日ざしの中、惨然と輝く姿があった
トップチャッカーを受ける一陣の風、それが山形だったような気がする……。

レース前、決勝グリッドの発表があった時、誰もが関根か和田の優勝を考えた。この二人見た目はあんまり速くなさそうで、運動神経とか言う基準で判断すること自体不可能な風貌を持つのだが、意外にも他の参加者の認識が“速い二人”となっている。そこでチ−ム監督ジュンペイがとった作戦が全日本クラスの選手をメカニックにつけて車を磐石にし、ドライバーの負担を減らすというものだった。「関根さん、和田さん。一応朝軽く流してセッティングを確認したところ、46秒台中盤でコンスタントに走れるようになってます。」「あれ?おかしいな。48秒台しか出てないけど…。」「えっ?和田さんは?」「必死に走って48秒台。」「へんだな〜、コース間違えないで走ってます?それから途中で買い食いなんかしてないっスよね〜?」と何度やってもどういうわけだか2秒が合わないのである。長年カート界に居るジュンペイにとってこの問題はとても簡単なことだった「俺だって20以上は指が足りなくて数えられないんだから、関根さんや和田さんだって一緒っスよ、天文学的な数字だから俺達には合わせるの無理! きっとほぼ同タイムで走ってますって。」と見事に解決した。「ジュンペイ〜。なんかドキドキするんだけど。」「一目惚れっスか?。」「ジュンペイ〜。手に汗をかくんだけど。」「なめるとショッパイですよ。」「ジュンペイ〜、スタートで皆行っちゃったんだけど。」「独りっきりって淋しいんですよね〜わかるな〜その気持ち。」「ジュンペイ〜、追い越されちゃった〜!」「俺も毎週水戸黄門は観てますよ〜。」ジュンペイの経験を活かした適格なアドバイスが、関根や和田の成長に貢献している。

関根も和田もトップチェッカーではなかった、やはり山形なのか?しかし山形の姿がパークフェルメにはない……。

今年、一番速い男の称号が山本から冨田へと移った。昨年までの山本はタイムボーナスを考えニュータイヤを敢て使用しないレースを数多く作った。そして速かった。ニュータイヤを導入したレースは必ずポールポジションを獲得していた。まさに王者のレース。速さで山本に適う人間など考えられなかった。しかし今年はニュータイヤをはいた山本のタイムを冨田があっさり更新してゆく、今回のレースもたった一周のタイムアタックでポールポジションを獲得した。しかし幸田では優勝の最右翼ではなかった。10秒のピットストップで勝てるわけはないからだ。18周目ピットイン冨田の順位が下がる。誰もが彼のレースは終わったとおもった瞬間、冨田がピットアウトして来たのは、トップ争いをしている山形と関根の真後ろだった。にわかにレースが慌ただしくなった。2位の座を空け渡すまいと頑張る関根、そして冨田の立退き交渉が激化する。まず、関根の身体に『私はお金が欲しくって、立退きをしぶっている汚い男です。』とかいた紙を貼る、しかし関根は世間の非難にも耐え必死に頑張っている。するとヤクザが関根をボコボコにし、「われ!ええ加減にせんかい! ハンコ押せ!オラオラオラ!!」と強引に実力行使をしかけると、関根は警察をバックにこの攻撃を回避する。放火する冨田に対して、町内会を見方につける関根。両者譲らない攻防が繰り広げられる。そして、守り切ったかと関根が安心した瞬間4トントラックがいきなり突っ込んで来て関根を10メートルほどぶっ飛ばしてしまった。「最初から言う事きいてれば痛い目に会わずにすんだのに…。」と轢かれて3倍の大きさに広がった関根に立退き料金を握らせた。しかしこの強引なやり方が警視庁公安課の耳に入り、山形に対しあからさまな態度に出る事が出来ず、残念ながら2位フィニッシュとなった。

そうか、やっぱり優勝は山形しか居ない!でも山形は何処に行ってしまったんだろう?

レースの参加車両の一台を残して全てが車検を受け始めている頃、愛知県の少しホコリの混じった風を切って颯爽と走行する山形の姿がサーキットの中にあった。レースが終わった事に気付かず独り周回を続けていたのだ。ふと目を上げると掲示板の一番上に“7”のナンバーが惨然と輝いていた。「優勝してたんだ……。」目頭が熱くなった。エースとしての重圧があった。嬉しかった。そしてその権利を今は失ってしまった事も気付いた。「ダブルチェッカーか……やっちゃった〜。」気付くとさらにもう一周していた。ピットへ目を向けると皆がこちらを見て、なにか大きな声で叫んでいる。「怒られるな〜、帰りたく無いな…」サーキット内の全ての信号灯が赤の点滅をし、スピーカーからは「山形!お前は悪くは無いんだ帰って来い!」と大きな声が出ていた。2時間後、ガソリンの無くなった山形のカートが最終コーナーで止まっていた。傍らに立つ杉山が「さあ、山形さん行こうか?」「杉山さん、俺やっちゃった……。」「ああ、お前死刑だって。」杉山の声はとても優しかった。
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※パンサーツアー専門誌「PANTHER TOUR」は“少ない取材と”“大きな想像力”で制作されています。
「ちょっと違うな〜」はありうることですが、抗議はうけつけません。投稿のみ受け付けますので、そこんとこヨロシク!
ADVAN PANTHER TOUR Vol.24 第4巻6号(通巻24号) 発行人/幾橋俊之 編集長/丸塚久和 撮影/遠藤さん 差入/本当に来ね〜な〜 発行所・パンサーツアー事務局/03-3704-0194(FAX)
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