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一番若い佐藤くん。学生時代からカートをやっていた。でも遅い何故? |
満平が久し振りにポイントをゲットし、チームは2位との差をさらに広げて1位を独走している。しかし、満平は意外にも不機嫌だった。「ちょっと〜誰がエースだと思ってんのよ〜。普通エースが後ろに来たらゆずるでしょ、それにレディーファーストって知ってるのかしら?」とチームメイトの木賊川に対してマナーがなっていないと怒りをぶつけていた。“エース”と“レディー”?
ツアーの誰もが『誰の事を言っているのだろう?』と首を傾げていた。
善子が参加しなかった為、佐藤は天敵がいなくてノビノビとレースを楽しんでいた。その時携帯が鳴った。「もしもし〜、修ちゃん?わたし善子だけどさ〜、今テレビを見てたらさ〜、修ちゃん映ってたよ。」「えっ?ホントに?」「うん、連続小学生殺人事件の重要参考人だって、なんかやったの?」「エ〜!!マジ?!
オレなんにもやってないっすよ。」「でしょ、私信じてるからさ〜、この電話がすんだら警察に修ちゃんは新東京サーキットに居るって連絡しといてあげる。」「いやっ…、えっ?……なにをするんです…?」「別に感謝しなくってもイイよ、当然のことだもん。じゃあね。」と言って電話が切れた。佐藤のレースはこの瞬間終わってしまった。
苅米はベストラップを出したもののボーナス15秒が響いてポイント圏内に入る事ができなかった。意外に思ったライズでは苅米に聞取り調査を行ったところ。「実は村上ファンドに会社の株の50%近くを握られて、現在直接交渉中で大変なことになっている。」と話してくれた。事情通によると「村上ファンドが間違えて苅米さんの会社の株を買ってしまって、それが投資者にバレて評判がガタ落ちしたらしくて、苅米さんにタダでもいいから引き取ってくれと言ってきてるらしいんです。」と語り、苅米は「てことは村上ファンドが共同経営者だよな、じゃあ俺はタイガースの役員か?」と舞い上がって調子を落としていると言う事だ。
遠藤の評判がすこぶる良い。ツアーに初めて参加した当時はとても遅く、後ろの方を走っており、周りからとても可愛がられていたのだが、途中からどういうつもりか速くなり、ついに優勝するまでになった。もちろんその豹変ぶりに周囲は冷たくあたり、あの大人しかった遠藤は何処へいったのか?と嘆いていた。その時現れたのが500クラスの田中だった。「俺って牧師さんみたいな髪型でしょ?」と説得を開始、遠藤は「こんな大人に付きまとわれるくらいなら…」と改心をし、元々のとても評判のいいパイロットへと戻ってきたのだ。事務局ではこの点を重視し有名な「太閤記」をモチーフに「下降記」を制作、頑張ろうとしている風戸や石川などニューフェイスへの試金石にしたいと考えている。
その風戸がカートパイロットとしての曲り角に来ている。ようやくドライビングに慣れてきた風戸は、ブレーキングやコーナリングで無理をする事が多くなり、自滅する傾向が高い。このまま間違った方向に育ってしまうと、速くなってしまうので、事務局は、現状を維持し、危なさを失わせてはいけないと通達をだした。それは、藤堂や横尾の開発した幻の“大リーグドライブ1号:ぶつかるドライブ”は余りにも高度な為、現状では不可能かもしれないが1年以内に、最低でも藤堂から善子に受け継がれた、コースからはみだし、砂を巻き上げながら走る“大リーグドライブ2号:消えるライン”を1か月以内に取得しなければならない、出来なければライセンスを剥奪すると言う厳しいものである。
石井が楽をしている。石井はチームメイトに横尾を迎えたことで、辛いポイントゲッターを横尾にまかせてしまった。こつこつと働いた横尾はボーナスが最高の15秒にも達してしまい、榛名は楽しく無いレースを迎えそうなのに対し、ここまで着々とボーナスを減らしてきた石井はボーナス0秒と、優勝の狙える楽しい立場で参加できる。この事を石井は「きったね〜、中村さんきったね〜よ。ボーナス0秒ってありえね〜よ。ホントきったね〜よな〜!」と、同じ事を考えていた中村に対してエールを送っていた。
幾橋が丸塚を恐怖に陥れた。丸塚はスタートダッシュを決め、前の苅米を激しくプッシュ、もう少しでオーバーテイクというパフォーマンスを見せていたが、苅米のタイヤが暖まるとアッと言う間においていかれた、そして苅米がパスをした車を見て驚いた。何時の間にか幾橋が前に行っていたのだ。そう後方からスタートした筈なのに、そこにいたのだ。丸塚は「殺したはずの男が生きて目の前に現れたサスペンスの主人公の気持ちでした。」と語った。そして幾橋はリザルトではまた、何時の間にか後方に沈んでいた。南無〜。 |