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平凡パンサー 4-2 ICHIHARA 2006.4.23
10
4.GG500 戦評〈3〉
PANTER TOUR GG500 レベルが意外に高いこのクラス レーステクニックよりも騙したり騙されたりが難しい
レース序盤は団子状態で、見ている方はとっても楽しい、でもやってる方は結構辛い
渋谷が事件を解決するというので、杉山カートでは相談に訪れるメンバーの後が断たないらしい。どんな悩み相談かというと、「僕はどうして優勝できないのでしょう?(石川)」「遅いからです。(渋谷)」「僕はどうして速いのでしょう?(北原)」「気の迷いです。(渋谷)」「何故、一番才能があるのでしょう?(鈴木)」「思い込みが激しいからです。(渋谷)」「僕のコーナリングって最高でしょ?(山形)」「根性も曲がっています。(渋谷)」「オレが出ると優勝しちゃうから悪いよね?(杉山)」「誰も良い人だとは思ってません。(渋谷)」と、ことごとく難問を解決している。ちなみに「渋谷さんの悩みは?」と聞いたところ、「エロビデオを一人で借りに行けないこと。」と意外な弱点を教えてくれた。

500クラスが似合い始めた石川だが、本当は若い、350クラスに参加しなければいけないのだが、500クラスでず〜っと留年状態を続けている。そのことを石川に尋ねると「レース直後パークフェルメで車検を待っている時、次々にヘルメットを脱ぎ素顔をさらすじゃないですか、そんな時僕だけ、若くってキラっと光り輝く美少年に見えるんです。」と語ってくれた。杉山は「妖怪の中に座敷きワラシがいても目立つかな?」と美少年の基準を問題にしていた。

鈴木はポイント争いをしていたのだが、最後の最後にミスをしてしまい、ゴールすることなくレースを終わってしまった。鈴木になにがあったのか尋ねると「運命は私に“平凡”ということを望まないのだ。愛する人を故郷に残し戦場へ行く。戦火は仲間を奈落の底に落とし、私が地上に残された英雄として勝ち名乗りを上げるはずだった…だが、神は更に非情だった。」と涙を流した。毎回訪れる平凡なリザルトが気に入らない鈴木だった。

高橋と山北が最近パンサーツアーの水戸黄門と呼ばれている。山北は「いや〜諸国といっても関東近郊を巡っているだけだし、偉いといっても、ノーベル賞候補と同じくらいだから大したこと無いよ。全日本にも出ていた僕達だけども、何か分からないことがあったら聞いてくれ。」と参加者を思い遣る大きな心意気を示した。横で阿部が「……あ〜とから来〜た〜のに…」とテーマソングを歌ってくれた。

関根のチームメイトとしてトーソーから初参加したのが和田だ。あのトーソーからの参加の為、ツアーに緊張が走ったが、3列目からのスタートで出遅れ、アグレッシブな走りでパッシングをし、挙げ句の果てに事故ってリタイアという危ない走りも披露、トーソーの新人としてはとっても普通なパイロットだと周囲を安心させた。事情通によると「横尾といい関根といい、走る前からキャラが立つのがトーソーの特徴です。満平は伝説の“18才”ですし、木賊川は初戦で優勝したのに、あいつはなにかをヤルから大丈夫と“暫定バカ”のレッテルを獲得しています。その点ゆっくりと浸透してゆく和田のキャラは新鮮です。」と語った。トーソーではチームイメージの崩壊を恐れ次戦からはパンダの覆面レーサーとして参加させる予定だ。

スリーボンドから初参加した楢島は金田からレベルが低くて参加しやすいレースだと聞かされてやってきた。楢島に参加してどうだったか聞くと「レベルが低いというよりも、ハードブレーキを極力使わないだけで、ラインどりやインサイドワークなど頭をつかった走りでみんな旨いです。手痛い洗礼を受けました。」と、嘘つきや詐欺師・妖怪や化物が闊歩する、暗黒街のレースだったと驚いていた。

昨年のMVP北原に輝きは無かった。BARホンダからルノーへとマシンを乗り換えての参戦だけに期待も高かったのだが結果がでないでいる。そのことを北原は「やっぱり俺はフェラーリに呼ばれているのかな〜。ブランドが良く似合い過ぎるのに、それに気付かなかったストイックでクールな自分が馬鹿でした。」とゴージャス路線への転向を示唆、イブニングドレスでの参戦を約束してくれた。

1周目にピットインするカートが多かった。その中の一人原口に聞いてみた。「作戦ではなく必然です。田中さんの横からのスタートだったのでできるだけ離れて走行する必要があったからです。」と当たり前のことを聞くなと言われた。確認してみると、田中の前の渋谷・楢島、後ろの北原、右後方の山北も同じ作戦をとっていた。原口は「不幸な人間が一人だけでは無かった事がせめてもの救いです。」と小さな幸せを噛み締めていた。

田口によると、チームは空気圧・セッティング・作戦、どれをとっても完璧にこなしたと言うことだ。問題はパイロットが遅いのだが、心情的にレギュラーシートから下ろせないらしい。田口は「オフの走り込みをさせる時間がなかったので、田口には辛い思いをさせている。もう少し暖かい目で見てやって欲しい。」と公式リリースで自己弁護していた。

後藤はあっという間に事故、リタイアとなってしまった。そんな後藤は「優勝もしくは上位を狙ってたんですけど、こういう形でも終わり、残念でした。しかし、僕なりの発見があり、有意義なレースでした。」と語った。後藤は家に帰ってから「今日のレースは一番でフィニッシュした。」と言えることに気がついたようだ。
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※パンサーツアー専門誌「PANTHER TOUR」は“少ない取材と”“大きな想像力”で制作されています。
「ちょっと違うな〜」はありうることですが、抗議はうけつけません。投稿のみ受け付けますので、そこんとこヨロシク!
ADVAN PANTHER TOUR Vol.20 第4巻2号(通巻20号) 発行人/幾橋俊之 編集長/丸塚久和 撮影/遠藤さん 差入/本当に来ね〜な〜 発行所・パンサーツアー事務局/03-3704-0194(FAX)
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