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6.GG500 戦評〈3〉
この歳になっても進化しつづける今村氏。これ以上速くならないで欲しい。
今回富田は新兵器を投入して来た、クールスーツである。「厳しい男の戦いであるカートレースに置いて、少しの油断や、装備の不備は致命的な結果を招くことになるでしょう。その為にあらゆる面からの状況を想定する必要があるんです。」と富田は熱く語った。このクールスーツの導入も勝負に徹した緻密な計算から採用されたものらしい。富田はその理由を特別に新聞の為と公開してくれた。「暑いのは嫌だからです。」......。緻密な計算はひと桁の足し算だったようだ。

鶴巻は今回ひとつの目標があった。もちろんトップに立つということである。その為に鶴巻はピットインをできるだけ遅く我慢し、参加者の中でも一番遅い16周目という、途中で赤旗中断・レース成立になった場合失格にもなりかねないリスキーな作戦ととって来たのだった。そして作戦通りトップで周回することに成功した。鶴巻になんでこの作戦をとったのかと聞いたが「いや〜別に特別な理由なんてありませんよ〜。」と爽やかにリーダーボードのトップに自分の名前が載ったことを謙遜しながら喜んでいた。ライズのヒロミさんによると、その日から地元の居酒屋で、「先週のレースでトップだったんだけど、終盤ちょっとしたことで優勝逃がしちゃったよ〜。」と吹き捲くっている鶴巻の姿をよく五井で見かけると言う。

後藤は残念ながらメカニカルトラブルによってリタイヤになってしまった。後藤にその事を聞くと「いや、残念でした。今日はとっても調子が良かっただけにポディウムも狙えたんですが、ちょっとツキがなかったですかね。」と自分の不運を嘆いていた。チームクルーによると後藤の得意技が、レースの展開が自分に都合が悪いとチェーンを外して不運を装うという事だそうだ。オジサンにとっては是非修得したいテクニックなので、教えて欲しいという声が多く上がっているそうだ。

レースの専門家田口がちょっと自分の成績がふがいないと言う。ベアではその声をうけ“熊の穴”と呼ばれている伝説の特訓を行う予定だということだ。“熊の穴”とは現役のレーシングドライバーにマンツーマンで直接ドライビングテクニックを伝授してもらい、スキルアップするというものだ。その効果は絶大で、本人のテクニックの上昇よりも周りの連中が「スッゲー!!」とビビッてしまうことにあるという。もちろん田口も、『現役のドライバーに習ったぞ!』ステッカーを製作しているらしい。

鈴木はペナルティーで順位を一つ下げたが、実はそれ以上に気になる所があったようだ。今回のレースクイーンが可愛かったのである。憂いのある表情やワイルドな表情で気を引こうと努力していたのだが効果が上がらずレースまで影響してしまったようだ。鈴木は「出来たら、指名できるようにしていただければ助かるんですけど......。」と制度の改革を強く希望していた。

スタートで高橋が出遅れた。高橋にしては珍しいミスだった。そのことについて「だってさ〜、阿部ちゃんがピューって行くんだよ。なんかさ〜アレ〜って感じで見てたらなんか遅れちゃったんだよ。ねえ、そんなとこ迄見てないでよ〜。」と阿倍のせいだと強調していた。もちろん高橋はベテラン、リザルトを汚したくない為1周目にピットイン、しっかりスタートミスがばれないような細工をしていたが、そんなに甘いパンサーツアーではなかった。

タイムトライアルでは3位と健闘した手塚だったが、決勝では14位と振るわなかった、レース中のベストタイムも3位と遅いわけではなかったのだが、いったい何が手塚にあったというのだろうか?そのことについて手塚は「ピットでストップしたら、目の前にボードを出されて“四国の4県を答えよ!”って書いてあって、どうしても香川県が思い出せなくて、遅くなってしまいました。」と語った。この事を聞いた他のツアー参加者に衝撃が走っている。『ツアー事務局は面白くする為そこ迄やるのか!』ということらしい。手塚が真面目そうに見えるからと言って、何時も本当の事を話すと思ったら大間違いなのである。

田中は最近考えている「やっぱり秋山さんと同じくらいの速さの山本さんは、500クラスの速さにはついて来れないな。もう限界じゃないのかな〜。」どうにかして、自分が有利な展開を作りたい田中だった。あくまでも練習はしないというポリシーらしい。
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※パンサーツアー専門誌「PANTHER TOUR」は“少ない取材と”“大きな想像力”で制作されています。
「ちょっと違うな〜」はありうることですが、抗議はうけつけません。投稿のみ受け付けますので、そこんとこヨロシク!
ADVAN PANTHER TOUR Vol.16 第3巻4号(通巻16号) 発行人/幾橋俊之 編集長/丸塚久和 差入/本当に来ね〜な〜 発行所・パンサーツアー事務局/03-3704-0194(FAX)
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