「ちょっと言わせてくれる?車高がちょっと高くてさ、落とそうと思ってたんだけどできなくて、フロントも少し出したかったな〜、プラグはずれて走れないし……」と嘆いている男がいる……
予選時間を少しでも有意義に時間を使おうと各チーム予選開始と同時にサーキットへ飛び出していった。そしてピットロードには白煙が残るだけ……だけ……だけ??いや!煙りの中でアタフタしている男がいる。この男こそ嘆きの人物、“セッティングマニア”または“言い訳王”といわれている蟻馬だ。実際ピットロードで何がおこっていたのか。直ぐ後ろからスタートした阿部勝によると。「プラグコードがはずれてたのが見えたんだけど、面白いから、そのままにしといた。」とのこと、実に良い友達を持ったものである。予選は蟻馬のトラブルをよそに平和に進行してゆく。
3 〜4 周も走ったころだろうか、2 番目を走っていた松木がおかしな行動を取り出した。手を振って、後続の車に“待て”のような“ゆっくり走れ”のような素振りを示すのである。少し怪訝に思った後続の車はペースを落とすと松木はカッ飛んでいく、そしてしばらく走ると同じ行動をとりはじめる。予選後松木に聞いてみたところ「予選は各車の間が開いていないとタイムが出せないだろ〜危険だし〜、スピードを落として間隔を開けろの合図だったんだ!とくに俺の前が詰まってたし。」徘徊の他にも新たに奇怪な行動を身に付けたみたいだ。これも重要なレーステクニックの一つとほざいている。
地元から参加の中川はさすがにその経験を見せつけ、予選3 位に入った。中川は「俺のような優秀なドライバーが地元で負けるわけないさ!前の二人も決勝で抜けばいいや〜」と少し油断をしてしまった(想像)。その油断が決勝のスタートの出遅れとなったが、この時点ではとっても幸せであった。流石、本当に速かった。
予選後しょぼくれていた人がいる。阿部と山本である。前日、“体力バカ”とその異名を持つ幾橋と、キャンプをしてしまったのだ。当然先に酔いつぶれてしまった。決勝当日はフラフラでやってきた。その事を阿部に聞くと「いや〜まいったな〜」と言っていたが、いい言い訳が見つかったみたいだった。
予選の結果は速い2 人と、11 名が0.5 秒を争う大混戦と、それ以外の3 人という形になった。 |